風疹

風疹は、風疹ウイルスの飛沫感染により生じる急性の発疹性感染症である。通常発熱と発疹は3日ほどで消失するため、3日ばしかとも言われる。また、子宮内感染により先天性風疹症候群を生じることがある。

臨床像

  • 幼児、学童に好発する。
  • 14日〜21日の潜伏期の後、前駆期→発疹期→回復期と症状が推移していく。前駆期は1〜2日であり、発熱はないか軽微で、全身倦怠感、頭痛、咽頭痛、咳、鼻汁を生じる。それと同時に後頭部を中心とした頚部リンパ節腫脹が出現する。発疹期は2〜3日で、発熱(37〜38℃)と同時に顔面から発疹が出現し、全身に広がる。この時期に伝染力が最も強くなる。その後の回復期には発疹が消失するが、リンパ節腫脹は数週間持続する。
  • 発疹は顔面から始まり、体幹、四肢へと広がるバラ色の斑状丘疹で、麻疹のものよりやや小さく、融合は少ない(非融合性発疹)。時に出血斑や瘙痒を伴う。さらに、麻疹とは異なり消退後に色素沈着を残さないのも特徴的である。
  • 第2種学校感染症に指定されており、発疹が消失しないと登校できない。

診断

  • 確定診断は、ペア血清でHI抗体価の4倍以上の上昇によるのが一般的である。なおHI抗体価は発疹出現後1〜2週から上昇するため、風疹患者に接触した直後の風疹抗体価の上昇は既往感染を示唆する。

合併症

  • 風疹の合併症としては、脳炎、関節炎特発性血小板減少性紫斑病(ITP)がある。急性脳炎は約0.02%に認められ、年長児に多い。関節炎は15〜50%に認められ、成人、特に女性に多い。ITPは約0.03%に認められ、年少児に多い。いずれも適切な処置を行えば予後は良好である。
  • 妊娠中、母体が風疹ウイルスに罹患し、経胎盤感染によって胎児にも感染が成立すると、先天異常を生じる場合がある。これを先天性風疹症候群(CRS:congenial rubella syndrome)という。CRSでは三大症状として白内障、心奇形、難聴があり、その他の症状としては小頭症、発達障害、溶血性貧血などがある。

治療

  • 特異的な治療法はなく、対症療法を行う。

予防

  • ワクチン接種により風疹HI抗体価16倍以上であれば罹患しないとされる。
  • 風疹ワクチンの投与は麻疹とともにMR(measles rubella)混合ワクチン(弱毒生ワクチン)として、1歳時に第1期、小学校入学前の1年間に第2期を行う。

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