ERCP(Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography)
≪概念≫
胆管結石や胆嚢腫瘍、閉塞性黄疸や膵腫瘍などに対し胆管、膵管経由でアプローチし、診断、治療する内視鏡を使った手法。
≪合併症≫
胆道系、膵管系に対し、開腹術を施行する必要がないため患者が軽減されているが、内視鏡としては難易度の高い処置であり、ERCP特有の合併症も存在する。
ERCPの最も主要な合併症は膵炎であり、ERCP施行患者の5-7%に合併すると言われている。他には出血、消化管穿孔、胆管炎、胆嚢炎、心肺系の合併症が挙げられている。
NIH Consensus Development Programでは有害事象を患者の素因に関係するもの、手技の煩雑さに関係するもの、術者に起因するものの3つに分類している。
3つの分類のうち、患者の素因が最もrisk factorとして重要であり、膵炎を最も起こしやすい患者は乳頭括約筋異常(SOD)疑いのビリルビン正常な健康若年女性とされており、膵炎約5例中1例では重症となる。合併症を避けるためにも、不必要なERCPは施行すべきでない。