麻疹
麻疹(麻しん、はしか)
病因
麻しんウイルス(Paramyxovirus科Morvillivirus属)によって引き起こされる感染症.空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染、接触感染と多数の感染経路を有する.
潜伏期間
11-13日
感染期間
発症4日前から発疹出現後5日
臨床症状
- 麻しんウイルスに感受性のあるヒトが同ウイルスに暴露・感染した場合、10日前後の潜伏期間を経て、
- カタル期(3-4日):
- 発疹期(4-5日) :
- 回復期(3-4日) :
と続く.
- 合併症は肺炎、脳炎、中耳炎、クループ症候群、心筋炎、下痢、更には亜急性硬化性全脳炎(SSPE)などがある.
- 恒久的脳損傷をきたす脳炎は約1000例に1例で発症.
- 呼吸性あるいは神経学的合併症による死亡が米国での報告では1000例に1-3例発生する.
診断のポイント
39度以上の発熱の一歳未満の乳児を診察する際は、必ず舌圧子を頬粘膜に当ててしっかりと視野と明るい光源を確保してKoplid斑がないかどうかを確認して、カルテにKoplikの有無を記載すること! 麻疹の熱はニ峰性で、発疹期の手前で一旦38度くらいになる。でもこの時からKoplikが出始めるので要注意。 一歳以上でも麻疹未感染あるいは麻疹ワクチン未接種の人は、空気感染なので、同じ空間を共有すると必ず発症する事を忘れずに。 薬剤による免疫抑制で細胞性免疫が低下している患者さんの場合は、ワクチン接種あるいは既感染でも感染する可能性があるので注意が必要である。 例えば、クローン病でステロイドを20mg内服している麻疹ワクチン接種済みの高校生。高熱・発疹・下痢でクローン病再燃と思いきや、実は麻疹だったという事もある。
隔離
空気感染予防対策 一般小児では発疹発現後4日間の隔離.免疫抑制患者では病気の期間中隔離が適応となる.
リンク
- [http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/report2002/measles_top.html 「麻疹の現状と今後の対策について」]
- [http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/meas-db.html 麻疹発生データベース 全国のましん発生状況]