HELLP症候群

HELLP症候群とは、Hemolysis(溶血)、Elevated Liver enzyme(肝酵素上昇)、Low Platelet(血小板減少)の3徴がみられる症候群のことである。多くは妊娠中期以降に発症し、約90%に妊娠高血圧症候群の合併がみられる。全分娩の約0.5%に発症する。経産婦であること、双胎妊娠がリスクファクターである。主な病態は、上腸間膜動脈や肝動脈の攣縮と血管内皮障害であると考えられている。妊娠高血圧腎症であることが多く、妊娠末期~産褥3日に突然の上腹部~季肋部痛、悪心、嘔吐などの症状を示す。妊産婦死亡率が25%、周産期死亡率は5~37%と非常に高いため、適切な管理がなされないと予後不良である。合併症として、子癇、DIC、常位胎盤早期剥離、腎不全、肺水腫などがある。胎児に機能不全が生じるリスクも高いため、急速分娩(帝王切開が多い)を要することも多い。
診断としては、以下の所見から判断する。
・溶血⇒ 末梢赤血球スメアにて、有棘赤血球や分裂赤血球などの溶血所見を認める。
     血液検査でビリルビン≧1.2mg/dl
     血液検査でLDH≧600U/L
・肝酵素上昇⇒ 血液検査でAST≧70U/L
        血液検査でLDHの上昇
・血小板減少⇒DIC傾向に陥るため、血小板数<10万/μl
治療としては、妊娠高血圧症候群と同じで妊娠の中断である。

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