Diamond Blackfanan貧血(DBA)

赤血球造血のみが障害される先天性の造血不全症である。骨髄は正形成であるが赤血球系細胞のみが著減し、末梢血では網赤血球が減少し、大球性正色素性貧血を呈する。

発症頻度は、出生人口100万人当たり約4~5名と推定されている。新生児期から顔色不良で発見されることが多く、1歳までに90%が発症する。約50%の例は種々の奇形や発育障害を合併する。ほとんどが散発例であるが、約10~20%の症例では家族歴があり、常染色体性優性あるいは劣性遺伝の形式をとる。
近年、病因遺伝子の遺伝子座が第19番染色体長腕に同定され、そこに存在する原因遺伝子がリボソームタンパクの一つである PRS19をコードする遺伝子であることが明らかにされた。RPS19遺伝子変異は約25%のDBAに認められる。最近、別のリボソームタンパク (RPS24, RPS17, RPL5, RPL11, RPL35A)の遺伝子変異が発見され、欧米では約45%のDBAにおいて遺伝子異常が明らかにされている。リボソームの機能障害のために生じる翻訳の異常が、貧血を引き起こす中心的なメカニズムであることが明らかになりつつある。
合併奇形としては、頭部・顔部の異常が最も多く、大頭、小頭、大泉門開大、顔貌異常、小顎、口蓋裂、巨舌、兎唇などが約20~30%に認められる。上肢の異常としては母指球の平坦化、母指骨異常などが10~20%に認められる。腎泌尿器系の奇形や先天性心疾患を約7~20%に認める。また、知能障害が認められることがある。低身長は約40%に見られる。
輸血依存性の場合、鉄過剰症によって肝機能障害、糖尿病、甲状腺機能低下症、心筋症を合併することがある。低身長はDBAの合併奇 形の一つであるが、最終身長はステロイド療法、鉄過剰症や慢性貧血によって影響を受ける。DBAの女性では、妊娠中の合併症(子癇前症、流産、早産、死 産、子宮内発育遅延、先天奇形)が通常より多く認められる。急性骨髄性白血病などの悪性疾患を合併することがある。
輸血とステロイド療法が基本であり、60%はステロイドに反応するが、その内の60%がステロイド依存性となる。治療抵抗例では、同種骨髄移植の適応がある。

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