Shared decision making(シェアード・ディシジョン・メイキング)
医療者と患者がエビデンスを共有して一緒に治療方針を決定すること。
今利用できる最善のエビデンスを共有して一緒に治療方針を決定していくこと。
「共有意思決定」とも呼ばれる。
他の選択肢に比べて、治療効果が高いことが分かっている(確実性が高い治療)があれば、その治療法が選択されるので、通常は「Shared decision making」ではなく、一般的な「informed consent(インフォームドコンセント)」を行う。一方、確実性が低ければ、「Shared decision making」の重要性がます。
使用の例として、乳がんの治療を挙げると
乳がんの治療として拡大乳房切除か、縮小手術+放射線治療のどちらが患者の長期生存を良くするかは議論があり、それぞれに、医師から見た、そして患者から見たメリットとデメリットがある。そういった場合に、どちらの方法を選択していくか、Shared decision making の考え方を元に選択していく。
上記のように、方針として複数の選択肢が考えられる時、
「Shared decision making」は、有効である。
不確実性の高低と命のリスクの2つの軸から4タイプに分けて適応の是非が考えられる。
Medical Note 「Shared dicision making」とは何か より
また、エビデンスが十分である場合も必要とされる場合もある。
Medical Note 「Shared dicision making」とは何か より
また、エビデンスが十分である場合も必要とされる場合もある。
例として、切除不能な進行性非小細胞肺癌を挙げると
複数の臨床試験で、「化学療法と放射線療法の併用治療」と「放射線療法の単独治療」が比較され、それによって生存期間の延長が確認されている場合、エビデンスの質としては文句なく高いといえる。
しかし、延長した期間は平均して2〜3ヶ月であり、肺がんが治るわけではなく、化学療法にともない副作用や費用は増加する。
よって患者が限られた生存期間の延長におく価値、副作用や費用についても考慮する必要がでてくる。エビデンスの質が高くとも、患者は必ずしも、「化学療法と放射線療法の併用治療」を選択しない場合もあり、このような場合にも「Shared decision making」が必要になってくる。