Werdnig-Hoffmann病
ウェルドニッヒ・ホフマン病(Werdnig-Hoffmann disease)とは、脊髄前角の運動神経細胞の病変によって生じる神経原性の筋萎縮症すなわち、脊髄筋萎縮症(spinal muscular atrophy: SMA)の1つである。ウェルドニッヒ・ホフマン病は脊髄筋萎縮症(SMA)の中でも、最重症型(SMA I型)であり、生後早くから発症(生後6ヶ月以内)し、全身の筋緊張低下、哺乳力低下、座位不能でfloppy infantおよびfrog position(カエル様の肢位)を呈し、舌が細かく震える線維束攣縮、陥没呼吸などが見られる(ただし、あやすと笑うなど知能は正常)。SMAは、神経原性でありながら、近位筋優位の筋萎縮が特徴的である。
ウェルドニッヒ・ホフマン病は、常染色体劣性(AR)の遺伝形式を示し、第5番染色体上(5q13)のSMA1遺伝子が原因である。予後は非常に悪く、平均6~9ヶ月で呼吸不全や呼吸器感染などで死亡する。