つつが虫病

つつが虫病は、O.tsutsuganushiに感染したツツガムシ(ダニの一種)に刺咬されて発症するリケッチア感染症の一つで、高熱、発疹、特有の刺し口が特徴である。わが国では昭和55年以降、年間数百人が発症している。

臨床像

  • つつが虫病は、O.tsutsuganushiを保有するツツガムシ(統計1%以下といわれている)に刺されたときに発症するため、野外活動後に発症する(潜伏期間は5〜14日)。刺される部位は腋窩、鼠径部など皮膚の柔らかい部分が多い。
  • つつが虫病の3主徴として、発熱刺し口発疹があげられる。発熱は39℃〜40℃の稽留熱で、しばしば頭痛、悪寒、全身倦怠感、筋肉痛などを伴う。刺し口は胸腹部、腋窩、陰部などにみられ、時間とともに発赤→腫脹圧痛→水疱・潰瘍形成→黒色痂皮と変化する。発疹は体幹を中心とし、顔面、四肢に広がる。その他の所見として、白血球数、血小板数の減少、刺し口の所属リンパ節を中心としたリンパ節の有痛性の腫大、咽頭発赤、結膜充血、比較的な徐脈があるほか、重症例ではDIC、循環不全、呼吸不全、中枢神経症状がみられる。
  • つつが虫病は診断がつけば確実に治療できる疾患だが、逆に適切な治療が行われなかった場合の死亡率は高い。
  • 通常ヒトからヒトへ感染することはない。

診断

  • 確定診断は血清学的診断で抗オリエンチア・ツツガムシ抗体(IgMの検出、IgMの有意上昇)またはPCR法で血液・刺し口(痂皮)からのオリエンチアDNA検出による。
  • なお、特有の刺し口は診断の際の大きな決め手となる。例えば日本紅斑熱と比べても、日本紅斑熱は刺し口中心の痂皮部分が小さいのに対し、つつが虫病は刺し口の中心部に大きな黒色の痂皮が形成されるため鑑別できる。

治療法

  • テトラサイクリン系の投与が第一選択であるほか、クロラムフェニコールなどの投与も有効である。
  • β-ラクタム系薬は一切無効であり、マクロライド系、ニューキノロン系も効果がない。
  • 治療が遅れるとDICを発症し、主な死因となる。

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