アカントアメーバ
アカントアメーバは、淡水や土壌中に自由生活する原虫で、水道水にも存在しうる。アカントアメーバの形態には栄養体とシストがあり、栄養体は30-40μmで棘状の偽足と呼ばれる舌のようなものを有し、シストは10-20μmの球状で2重の細胞壁を有する。シストは乾燥状態などアカントアメーバの発育にとって、悪条件になると形成され、悪条件に耐久し、外的条件が良くなると栄養体と変化する。そのため、シストを形成することで、薬物に抵抗していると考えられる。アカントアメーバのある遺伝子型(T3.T4など)は角膜上皮との親和性が高いため、コンタクトレンズ装用者においてまれに角膜炎を引き起こす。アカントアメーバ角膜炎は、治療開始が遅れれば難治性であるため、初期段階で診断し、早期に治療(抗真菌薬、消毒剤、病巣掻破)を開始しなくてはならない。