側頭動脈炎
側頭動脈炎(temporal arteritis: TA)とは、側頭動脈をはじめとする大動脈やその分枝の血管の中膜において病理的にリンパ球浸潤と多核巨細胞を伴った慢性肉芽腫性の血管炎である。
発症は基本的に50歳以上で、症状としては拍動性の頭痛の他、食事中の顎の痛みや、網膜中心動脈の障害による視力障害などである。側頭動脈炎の30〜50%にリウマチ性多発筋痛症(PMR)を合併しており、その場合には首や肩、上腕、臀部、大腿などに強い痛みを生じる。側頭動脈炎(TA)では発熱・体重減少をきたすので、不明熱と考えられているものの中にTAが含まれていることがある。TAで見られる特徴的な所見としては浅側頭動脈に沿った肥厚・硬結がある。
検査所見は、CRPや赤沈の亢進といった炎症所見が見られるが、側頭動脈生検により多核巨細胞を伴う肉芽腫性血管炎を認めれば診断は確定する。
TAの治療はステロイドが著効する。