国民医療費
国民医療費は医療機関等における傷病の治療に要した費用を推計したもので、公的な医療を提供する際に医療機関に支払われた総額を示す(この統計には介護保険は含まれない)。国民医療費総額は平成23年度で38兆5850億円で、人口1人当たりでは30万1900円である。これは、前年度(平成22年度国民医療費:37兆4202億円)と比べても高い値であり、ここ30年間常に上昇傾向である。国民医療費増加の主たる原因は老年人口の増加であり、65歳以上の医療費で半分以上(52.7%)を占める。また、不況の影響で国民所得が伸び悩んでいたため、国民医療費の対国民所得比も上昇傾向である(平成23年度で11.13%)。ただし、対GDP比は9.6%(2010年のOECD
Health Data)であり、この値は他の先進国(アメリカ、フランス、ドイツ)と比べると低い値であり、OECD加盟国の中では中位である(OECD加盟国の中ではアメリカが一番高い)。