尋常性狼瘡
尋常性狼瘡(lupus vulgaris)とは皮膚結核の1種で、露出部に皮疹を生じ萎縮や瘢痕をきたすものである。結核感染者が内臓原発病変からの血行性ないしリンパ行性の転移または外部からの直接感染で生じる。顔面や頚部、前腕、体幹、耳などに好発する。皮疹は徐々に癒合して局面・潰瘍・結節・腫瘤を生じ、表面に鱗屑・痂皮を付着する。
丘疹をガラス板で圧すると黄褐色のリンゴゼリー結節(apple jelly
nodule)が見られるが、これは組織の乾酪壊死を反映する。
尋常性狼瘡は長期経過で、有棘細胞癌に発展することがある。
治療は抗結核薬による多剤併用療法が行われる。