狭心痛
≪狭心症の狭心痛≫
性質:胸部の絞扼感、圧迫感、重圧感
部位:前胸部に多いが、肩(左肩)、背中、上肢、首、頬、歯、後頭部に放散して感じられることも多い。少なくとも手のひら以上の広がりをもつ。
持続時間:通常数分以内に消失する。発作が20分以上持続する場合は、急性心筋梗塞か虚血性心疾患以外の疾患を考える。ニトログリセリンの舌下投与によって通常2~3分で消失する。
自覚症状は狭心症のものと同じであるが、症状はより強烈となる。しばしば、全身症状も伴い、悪心、嘔吐、冷汗、呼吸困難なども認められる。ニトログリセリンは無効で、苦痛は20分以上持続する。
なお、虚血性心疾患の中でも、無症候性心筋虚血では狭心痛はあまり目立たず、壁運動の低下や心電図上の変化が自覚症状よりも早く出現している。