後縦靭帯骨化症
後縦靭帯骨化症(ossification of the posterior
longitudinal ligament: OPLL)は、脊椎椎体の後面で脊髄の前側にある後縦靭帯が肥厚・骨化した結果、脊柱管が狭小化して脊髄が圧迫される原因不明の疾患である。40歳以上の男性に多く、主として頚椎(C4~C6)に生じる。単純X線側面像やCTでは骨化病巣が確認できる。
~頚椎後縦靭帯骨化症~
頚椎後縦靭帯骨化症は、頚椎の後縦靭帯が骨化して頚髄が圧迫されるもので、脊髄症状として、書字障害やボタンがけ難しくなるといった手指の巧緻運動障害、頻尿・便秘といった膀胱直腸障害、階段を降りるのに手すりが必要で歩行時にふらつきが見られるといった痙性歩行のような歩行障害、四肢のしびれ感などがある。他覚所見としては下肢の腱反射の亢進や四肢の筋力の低下を認める。
治療方法としては、頚椎の外固定装具を装着して頚椎の安静を保ち、圧迫されている神経を保護するという保存療法が行われる。膀胱直腸障害など脊髄症状が強い場合には、前方除圧固定術や椎弓形成術が行われる。