慢性腎不全

〈概念〉

腎機能の不可逆性の低下が数ヶ月以上継続し、体液の恒常性維持が不可能となった病態。

一般には、糸球体濾過(GFR)が30ml/分以下の障害が持続的にあるものをいい、血清クレアチニンで2mg/dl以上が持続している。

透析開始の原疾患として一番多いものは、糖尿病性腎症、次いで慢性糸球体腎炎である。

〈誘因〉

数年前からの蛋白尿、血尿

〈症状〉

高血圧、浮腫、貧血

〈検査〉

髄質障害:比重1.010前後の尿(等張尿)

糸球体濾過能低下:BUN↑、Cr↑(2mg/dl以上継続)、GFR↓(30ml/分以下)

尿細管障害:HCO3‐↓(代謝性アシドーシス)、血清NaCa↓、KPMg

〈治療〉

1.保存療法(腎不全の進行を遅らせる)

a.食事療法:蛋白質、塩分、Pを制限し、高カロリー食とする。末期には水分、Kも制限する。

b.薬物療法

①高血圧に対して:降圧薬(ACE阻害薬、ARBCa拮抗薬)

※サイアザイド利尿薬は原則用いない!

②浮腫に対して:ループ利尿薬

③高K血症に対して:イオン交換樹脂、グルコース・インスリン療法など

④高P血症に対して:リン吸着薬(CaCO3

⑤貧血に対して:EPO

⑥低Ca血症に対して:カルシウム製剤、活性型Vit.D3製剤

2.透析療法

※肺水腫を伴う呼吸困難、頭痛、痙攣、意識障害anion gap↑を伴うときの末期腎不全(尿毒症)の場合には透析を行う。

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