球脊髄性筋萎縮症

球脊髄性筋萎縮症(spinal and bulbar muscular atrophy: SBMAまたは、ケネディー・オルター・ソン症候群(Kennedy-Alter-Sung syndromeとは、成人男性に発症し、緩徐進行性の筋力低下と女性化乳房・精巣萎縮などの男性性腺異常をきたす遺伝性疾患である。原因はX染色体上にあるアンドロゲン受容体(AR)遺伝子のCAGリピートが延長することで生じるtriplet repeatであり表現促進現象が見られる。

球脊髄性筋萎縮症ではアンドロゲン受容体の不全により加齢に伴い女性化乳房や精巣萎縮、インポテンツを生じてくるほか、神経細胞の核内に形成された変異ARの凝集体が神経毒性を発現するために、主に運動神経が障害され、四肢近位筋優位の筋力低下、筋萎縮、線維束性収縮、深部腱反射の低下ないし消失および舌萎縮(球症状)をきたす。一方で、知能は正常に保たれる。

診断はアンドロゲン受容体遺伝子のCAGリピートの異常伸長の存在により確定される。

治療法は、進行を抑制できるものがないので、対症療法やリハビリテーションが中心となる。

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