肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy)
《病態》
心室の心筋が肥大し、心室内腔が狭小化したもの。心筋肥大による左室流出路狭窄もみられ、心拍出力低下する。
《疫学》
約半分に家族歴があり、その場合は常染色体優性遺伝である。
サルコメア蛋白の遺伝子変異が有名だが、その他の遺伝子変異によるものも存在する。
《症状》
労作時呼吸困難、失神発作。突然死することもある。
《検査》
心収縮力は正常だが、心室拡張障害が見られる。
病理学的所見:錯綜配列を伴う心筋細胞肥大
心エコー:SAM、ASHがみられる。
聴診では、運動やβ刺激薬投与によって心雑音が更新する。Ⅱ音の奇異性分裂やⅣ音の亢進も聴取する。
《治療》
流出路狭窄を軽減するために、βブロッカー、Ca拮抗薬を用いる。
ニトログリセリンは、左室流出路狭窄を悪化させるため、禁忌。