脳出血

脳出血(cerebral hemorrhage)とは脳実質内への出血のことをいい、脳内血腫の圧迫による局所神経症状および頭蓋内圧亢進症状を呈するものである。脳出血の主要な原因は高血圧であり、生活習慣の改善と降圧治療薬が発症・再発予防に重要である。出血部位によって皮質下出血、被殻出血、視床出血、脳幹出血、小脳出血に分けられるが、最も多いのは被殻出血である。被殻出血では片麻痺や失語症(主に左側病変)、病側への共同偏視が見られる。

脳出血の急性期で問題となるのは頭蓋内圧亢進症・脳浮腫とそれによる脳ヘルニアであり、高張グリセロール静脈内投与によりこれらを改善させる必要がある。また脳出血では、血圧のコントロールが重要なので収縮期血圧で180mmHgを目標に降圧する。脳出血の外科的治療としては血腫除去術があり、皮質下出血・被殻出血・小脳出血の3つに適応がある。血腫除去術の適応基準としては血腫の大きさが考慮されており、例えば被殻出血の場合では血腫量が31mL以上の時、開頭血腫除去の適応となる。一方、視床出血では内包を傷つけるため、脳幹出血では生命維持に関わる部位を傷つけるため、血腫除去術の適応はない。

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