視神経髄膜腫
視神経の髄膜から発生する良性腫瘍。 頭蓋内に発生し、二次的に視神経に進展するものが多い。 若年、女性に多く発生する。視神経線維症に合併することもある。
≪症状≫ 非常にゆっくり進行する、片岩性の眼球突出。早期より眼球運動障害が出現。 眼瞼腫脹、結膜浮腫が認められる。 視機能は維持される。
≪所見≫ 視神経乳頭上の視神経―毛様体血管短絡(optociliary shunt vessels)を認める。 乳頭浮腫、進行すると視神経委縮、網脈絡膜ひだ形成など。 CTでは、造影剤で増強された腫瘍の中に、視神経が抜けて見える電車軌道上所見(tram-track sign)を認める。
≪治療≫ 若年者は進行が早く、頭蓋内浸潤により生命予後が不良なため早期に手術を行う。 手術により、視機能がそこなわれるので、視力が保たれている間は経過観察することも多い。 手術は腫瘍前摘出。再発も多く、放射線治療を併用する。