進化中立説
1968年、国立遺伝学研究所の木村資生によって提示された生物学の理論で、「分子レベルでの突然変異は、環境適応能力とは無関係に、偶然によって起こる。」という法則によって要約される。それまでのダーウィン的な進化論では、H.スペンサーの「環境に最も適応できた種が生き残る」という適者生存the survival of the fittestが支配的な学説であったが、それに対して福者生存the survival of the luckestという概念を提示したため、発表当時は批判された。しかし次第にこの理論を裏付ける分子遺伝学的な証拠が増え、木村はダーウィン賞を授与された。