Rh式血液型不適合妊娠(D型不適合妊娠)

母親の血液型がRh(-)で胎児の血液型がRh(+)のとき、Rh式血液型不適合妊娠という。
この場合、新生児溶血性黄疸や胎児貧血がおこる可能性があり、通常
ABO式血液型不適合妊娠よりも、Rh式血液型不適合妊娠のほうが新生児溶血性黄疸が重症になる可能性が高い。
診断には間接Coombs試験陽性の検査が必要で、また重症度(胎児貧血)の判定はエコー下での羊水中でのビリルビン様物質の測定によって行う。
・発生機序
第一回目の妊娠時の胎盤亀裂、もしくは分娩時のRh(+)胎児の血液の流入により母体内で抗D抗体(IgM)ができる(母体感作成立)、その後2回目以降の妊娠時に抗D抗体が胎盤から胎児の血中に移行して、溶血がおこる。
・症状
胎児時には溶血性黄疸、貧血が起こりそれが高度となると免疫性胎児水腫となる。
新生児時には肝臓が未熟なため溶血時に血中にでるビリルビンを処理しきれず、黄疸、核黄疸をきたす。

・対処法
母体がRh(ー)と判明し、夫がRh(+)の時間接Coombs試験を行い32倍以上の陽性のとき胎児管理を行う。
間接Coombs試験が陰性のときは未感作妊婦の管理を行う。
具体的には、妊娠末期と分娩72時間以内に抗Dヒト免疫グロブリンを投与する。



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