塩酸チオリダジン

精神分裂病に使用される向精神薬。 網膜色素上皮や脈絡膜のメラニン色素と強力に結合し、障害する。 1日投与量に依存する。1日使用量が800mgを超えると発症しやすい。

≪症状≫ 霧視、色覚異常、昼盲から始まり、視力低下、視野狭窄と進行する。

≪診断≫ 病歴、薬物使用歴。 眼底所見は、初期は色素反が出現し、進行すると網膜色素上皮委縮、 網膜血管の委縮、視神経委縮となる。 ERGでは初期には正常、振興すると錐体、杆体ともに傷害されるため 消失型となる。 EOGも、進行記には著名に悪化する。

≪治療≫ なるべく長期投与を避ける。 明らかな場合は原則的に中止。 しかし、網膜障害は回復しない。

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熱傷

≪病態≫ 熱の作用で、細胞レベルでたんぱく質が変性することにより生物学的活性が失われ、膜脂質の流動性が高まり、膜内の酵素活性が失われ、細胞機能が障害される。 熱の直接作用により、表皮や真皮に障害が …続きを読む…