悪性貧血(PA:pernicious anemia)
①貧血症状
頭痛、めまい、動悸、息切れ、易疲労感、眼瞼結膜蒼白など
②消化器症状
摂食時の下のしみる感じや痛みなどの舌炎(Hunter舌炎)
舌乳頭萎縮、無胃酸症
③皮膚・粘膜症状
ときに、年齢に不相応な白髪
④末梢神経障害
四肢末梢の強いしびれ、腱反射現弱
亜急性連合性脊髄変性症-神経症状
深部知覚障害、歩行障害、Romberg徴候(+) ←後索障害
Babinski反射 ←側索障害(錐体路障害)
認知症など
⑤大球性正色素性貧血
末梢血で、MVC↑(120以上のことが多い)
WBC↓、血小板数↓、大赤血球、過分葉好中球
無効造血
網赤血球↓、LDH↑↑、関節ビリルビン↑、ハプトグロビン↓
自己免疫の関与
抗壁細胞抗体(+)、抗内因子抗体(+)、血清Vit.B12↓
⑥内視鏡検査で、萎縮性胃炎
⑦DNA合成障害
骨髄で、巨赤芽球(+)
などの所見がみられたら、悪性貧血(PA)と診断する。
治療
Vit.B12欠乏に対しては、Vit.B12製剤の筋注(Vit.B12吸収障害のため)
(造血亢進に伴い鉄が利用され、鉄欠乏が起きる場合は、鉄剤の投与も行う)
※Vit.B12欠乏に葉酸単独投与は禁忌(神経症状の悪化をきたすため)
(参考:クエスチョンバンク)