樹状細胞
Dendritic cell : DC
特有の細胞突起を有する細胞で、MHC classII antigenを介する強力なantigen presenting cell (APC)である。
ヒトでは骨髄細胞(BMC;bone marrow cell).末梢血単核球(PBMC: peripheral blood mononuclear cell)から、マウスではBMC, spleen細胞から、分離/分化培養できる。
サブセット
おおまかには骨髄系樹状細胞myeloid dendritic cell (MDC)と形質細胞様樹状細胞plasmacytoid dendritic cell (PDC)の2つのsubsetに分類される。
一般的にMDCはCD11c陽性細胞として、PDCは CD123陽性細胞として分類される。PDCはIFN-alfa産生細胞としても知られる。
その他にも指状嵌入細胞interdigitating cell (IDC),ランゲルハンス細胞Langerhans cell (LC),ヴェ−ル細胞veiled cell (VC),真皮内樹状細胞dermal dendritic cell (DDC),胚中心樹状細胞germinal center dendritic cell (GCDC)なども樹状細胞の仲間である。
Immature DCとmature DC
Immature DC(iDC)はendocytosisにより抗原タンパクなどを盛んにとりこむことができるが、T細胞の活性能は低い。Toll-like receptors (TLRs)の刺激などを介してmature DCとなるが、培養においては、LPS, poly IC, cytokine cocktails (interferon-gamma (IFNgamma), tumor necrosis factor alpha (TNF-alpha), GM-CSF, IL-6等)などがmaturationに用いられる。
mature DC(mDC) は 、MHC II、 CD80 (B7.1)、 CD86(B7.2) (B7 receptor はCD28と結合するT 細胞活性化のco-receptor)などの発現が増強し、抗原提示およびT細胞を活性化できるようになる。
mDCは各リンパ器官、spleenに移動し、そこでT細胞を活性化する。一方 iDCはregulatory T cellの増加やT cell のanergy等によりtoleranceを誘導することが報告されている。また、培養系において、低濃度のGM-CSFなどで培養するとmaturationがおこらずiDSが得られやすい。これらのmDCやiDCは癌の免疫療法や自己免疫疾患、移植の拒絶反応抑制への利用が研究されている。