水晶体脱臼
目次 1 原因 2 分類 3 手術方法
原因 チン小帯が脆弱、断裂、欠損の項を参照のこと。
分類 チン小帯損傷の程度により亜脱臼と完全脱臼に分けられる。 ①亜脱臼:チン小帯の断裂が軽度で水晶体の位置に偏りが確認できる程度のもの ②完全脱臼:チン小帯の断裂が高度で、瞳孔領から逸脱あるいは眼底に落下しているもの
手術方法 ①亜脱臼の場合:水晶体嚢外摘出術を行ない、眼内レンズの支持部に縫着糸を縫い付け水晶体嚢ごと毛様溝に縫い付けする。 ②完全脱臼もしくは高度の亜脱臼の場合:水晶体全摘出術を実施し眼内レンズの縫着術を行なう。 ③眼底に水晶体が落下している場合:必要十分な硝子体切除術を行ない、パーフルオロカーボンで硝子体腔内を置換し水晶体を虹彩面まで浮上させ、水晶体乳化吸引または全摘出を行なう。
近年の硝子体手術の進歩に伴って、積極的に硝子体手術を適用する場合もある。 水晶体の摘出を可能な限り小切開で行い、硝子体腔に残存水晶体を落下させて、硝子体カッターで処理する。この手法の利点は、小切開手術のため、術後の惹起乱視を最小限度に留めることができる。ただし、核硬度3以上の水晶体を処理するのはこの方法では困難。上記のようにパーフルオロカーボンを充填する方法が薦められる。