肺性心
〈概念〉
・ 肺血管障害や換気障害によって肺高血圧をきたし、二次性に右心不全をきたした病態。
・ 肺性心は臨床経過から急性肺性心(急性の肺高血圧をきたす疾患(多くは急性肺血栓塞栓)による)と慢性肺性心(慢性の肺高血圧をきたす疾患による)に分類されるが、一般に肺性心といった場合は慢性肺性心を指す。
〈誘因〉
・ 肺血管障害型:慢性肺血栓塞栓症、原発性肺高血圧症
・ 換気障害型:COPD、肺線維症
〈症状〉
・ 労作時呼吸困難、頻呼吸、チアノーゼ、ばち指(低酸素血症による症状)
・ 頸静脈怒張、肝腫大、全身性浮腫(右心不全による症状)
〈検査〉
右心不全により、以下の所見を得る。
・ 聴診:Ⅱp音亢進、Graham Steel雑音
・ 胸部Xp:左第2弓(肺動脈主幹部)の突出
・ ECG:右軸変位、右室肥大、肺性P
・ 心エコー:右室内腔の拡大、右室前期駆出時間の延長
・ 右心カテーテル検査:肺動脈圧(PAP)↑
※ 左室は正常なので、肺動脈楔入圧(PAWP)正常(12mmHg以下)
〈治療〉
基礎疾患の管理が基本
① 基礎疾患の管理・治療
② 低酸素血症に対して、O2投与
右心不全に対して、利尿薬、強心薬など