腎血管性高血圧
〈概念〉
・腎動脈の狭窄等で腎血流量が低下したために、腎の傍糸球体装置からのレニン分泌が高値となり(RA系の亢進→続発性アルドステロン症)、高血圧をきたしたもの。
・内因性の原因である粥状硬化症、線維筋性異型性、大動脈炎症症候群で腎血管性高血圧症(RVH)の80~90%を占める。
〈好発〉
若中年の女性or動脈硬化のみられる中年以降の男性
〈症状〉
①急速に発症または増悪する高血圧、それに伴うめまい、頭痛
②著しい動脈狭窄:心窩部・腹部に血管雑音
③続発性アルドステロン症:レニン↑、アルドステロン↑、血清K↓(左右腎静脈血レニン活性で、患側は健側の1.5倍以上)
〈検査〉
:以下の検査で、腎動脈の狭窄所見がみられる。
①経静脈性腎盂造影(IVP):病側腎の造影遅延(奇異性濃縮)
②レノグラム:病側の核種のとり込み遅延
③腎動脈造影:腎血管狭窄部の確認、病側腎の縮小化
〈治療〉
1.経皮経管的腎血管形成術(PTRA)
→バルーンカテーテルによる血管拡張術(第一選択)
2.血管再建術の適応のない症例or手術までに間のある症例では、薬物療法を行う。
①ACE阻害薬(カプトプリルなど)
②Ca拮抗薬とβ受容体遮断薬の併用
※手術(血行再建術、患側腎摘出術)などによる改善率・治癒率は80%前後