う蝕
う蝕は口腔内のう蝕原因菌が砂糖やデンプン等の糖質より作られた酸が歯の硬組織を脱灰させることで発生する歯の実質欠損。歯周疾患と並び、歯科二大疾患の一つとして知られる。一般には虫歯として知られる。
原因
口腔内に存在する、ミュータンス菌のようなう蝕原因菌が砂糖やデンプン等の糖質を酸に変える。糖質の中でも、砂糖の主成分であるスクロースは酸産生能は高く、キシリトール等は低い。う蝕原因菌と酸、食物残渣、唾液は結合し、プラークとなって歯に結合する。プラークが歯から取り除かれないと次第に歯石となる。
プラーク中の酸がエナメル質を脱灰させる。最初期の段階では、エナメル質の抵抗性と歯の再石灰化のため、エナメル質表層は溶けず、その下から溶け始める。これをエナメル質の表層下脱灰という。エナメル質に限局している間、う蝕は無痛である。象牙質に達し、歯髄疾患を引き起こして初めて痛みを感じる。
一般に進行度により、
に分類される。
予防
う蝕予防の方法として[[根拠に基づいた医療|EBM]]に基づき、フッ化物の使用が上げられる。水道水へのフッ化物添加や、フッ化物による洗口、フッ化物配合歯磨剤の使用、歯面へのフッ化物塗布などが知られる。
日本では、水道水へのフッ化物添加は過去には京都市の山科にて行われたことがあるが、現在では行われていない。フッ化物による洗口は、近年、小学校などで急速に導入されつつある。フッ化物配合歯磨剤については、現在急速にシェアが上昇している。歯面へのフッ化物塗布は、歯科医院などで多く行われている。
治療
歯の実質欠損を伴わない初期う蝕では、歯面へのフッ化物塗布等を行う。実質欠損を伴っている場合には、感染歯質を除去、必要に応じて窩洞の形成し、コンポジットレジン、充填用セメント、アマルガム、などで充填、金属のインレーやオンレー、レジンインレーやセラミックインレー等で修復、う蝕が進行している場合はクラウンにて修復。重度で歯の保存が不可能な場合は抜歯後ブリッジ、部分床義歯、全部床義歯あるいはインプラントにて補綴。
3MIX法や3Mix-MP法、ヒールオゾン等の治療法も考え出されている。