分子標的療法

概要

疾患の原因や増悪因子となっているタンパク分子を特異的に阻害する方法。疾患の分子生物学的な解析が可能になったため、最近提唱されるようになった治療概念である。慢性骨髄性白血病の原因遺伝子Bcr-Ablを標的としたグリベック、肺癌等のEGFRを標的としたイレッサ、乳癌等のHER2を標的としたハーセプチンがその走りである。悪性疾患で活性化していることが多いタンパクキナーゼの阻害剤、特にチロシンキナーゼを標的としたチロシンキナーゼ阻害薬や特定の分子に対する特異抗体を利用した抗体療法がツールとしては多い。特定の分子のみを阻害するため、副作用が少ない治療法として期待されたが、イレッサなど一部において予期せぬ副作用も生じる例がでてきたのも事実である。

関連ページ

蛋白データーベース

[[タンパクキナーゼデーターベース]]

抗VEGF療法

注目の記事

心室中隔欠損症(ventricular septal defect: VSD)

≪疫学・概念≫ 先天性心疾患は出生児の1%ほどが合併する。心室中隔欠損とは心室中隔に欠損校が存在する奇形である。心室中隔は漏斗部中隔、膜様部中隔、肉柱性中隔、流入路中隔の4部分に分けられ、これらの中 …続きを読む…