多嚢胞化萎縮腎

《概念》
両側の萎縮腎に後天性の嚢胞が多発した病態
《疫学》
原疾患に関わらず萎縮腎になれば出現する。透析療法の継続期間に比例して増加し、10年以上では90%にみられ、男性に多い(4:1)。年齢を問わず発生し、小児慢性腎不全症例にも発生する。透析療法の種類が異なっても発生率に差はない。腎移植をすると短期間で嚢胞の退縮が起きる。腎癌、後腹膜腔出血(嚢胞破裂による)、感染(腎膿瘍)などの合併症が多い。
《鑑別》
遺伝性の多発性嚢胞腎との鑑別は、嚢胞の大きさ、肝嚢胞の有無、家族歴の有無によって診断する。
《管理》
基本的に無症状であり、合併症がなければ治療の必要なし。腎癌、後腹膜腔出血などの重篤な合併症の早期発見のために、定期的な画像診断が必要である。

注目の記事

破嚢

後嚢破損 超音波水晶体乳化吸引術が普及した現在、後嚢破損の発生率は施設間、術者間の差はあるが約3%と言われる。逆にどんな名人でも破嚢のリスクはゼロではない。その後の適切な対応によって、術後の視機能は良 …続きを読む…